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SDGsへの取り組み
TCFD提言に沿った気候変動に関する情報開示

TCFD提言に沿った気候変動に関する情報開示

TCFD提言に基づく情報開示について

光陽社グループ(以下、当社)では、気候変動を含む環境課題を世界が力を合わせて取り組むべき緊急の課題と認識しております。 当社ではかねてより環境対応、健康経営、社会貢献を軸とした様々な活動に取り組んでおり、特に環境課題への取り組みと成果については、2015年から発行している環境報告書において開示してまいりました。2021年度からはサステナビリティ報告書として紙面を一新し、環境保全活動のみならず、持続可能な社会の実現を目指した様々な取り組み内容を開示しております。 当社は2022年8月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともにTCFDコンソーシアムへ参加いたしました。TCFD提言に沿って特定した機会の実現およびリスク管理のための対応策を実施することで、2050年カーボンニュートラルの実現を目指すとともに、TCFD提言の枠組みを活用した気候関連財務情報の開示を推進してまいります。

ガバナンス

当社では、国際情勢や社会環境が大きく変化し、今までにも増して環境への意識が高まる中、サステナビリティに関する取り組みについて組織全体で責任を共有し、効果的なガバナンスのもとで進めています。 気候変動への対応は、サステナビリティに関する専門委員会である「SDGs推進委員会」が取りまとめる役割を担っています。SDGs推進委員会は、社長をトップとして各部門の代表により構成されており、グループ全体のサステナビリティに関する取り組みの計画および評価を行い、経営会議を通じ取締役会にて戦略的方向性を決定する役割を果たしています。また、安全衛生委員会や健康づくり推進委員会とも連携し、地球環境保護および社員の健康づくりや安心・安全な職場づくりの推進を図る役割も担っています。

戦略

当社では、TCFDが提唱するフレームワークに則り、主要事業を対象に、移行面での影響が顕在化する「2℃シナリオ」および「1.5℃シナリオ」、物理面での影響が顕在化する「4℃シナリオ」を用いて、気候変動関連のリスクおよび機会についてシナリオ分析を実施しました。 シナリオ分析の結果、脱炭素社会の構築に向けて、GHG排出量の規制強化や炭素税の導入、エネルギー価格上昇に伴う運用コストの増加が想定されます。当社では2050年までに自社拠点での事業活動に伴うGHG排出量実質ゼロの達成に向けて、2030年までの目標を定め、省エネ活動の継続や再生可能エネルギーの導入、既存設備の高効率機器への更新を進めています。 一方、顧客行動変化による低炭素製品・サービスへの需要や市場はさらに拡大することと考えています。このような変化に対し当社は、各工場・事業所ともにScope1、Scope2のCO2排出量を実質ゼロ化し、カーボンゼロプリント工場として稼働を開始させるとともに、製品のライフサイクルにおけるCO2排出量算定ツールの開発による環境配慮型プリントの提供を通じて、CO2排出量の見える化とその削減に取り組んでいます。また2022年12月に発足した日本サステナブル印刷協会の規模の拡大を通じて、環境に配慮した印刷物の普及を図ってまいります。 短期的な物理的リスクの影響に関しては、気温上昇による自然災害の増加が、会社インフラの大規模な損壊や機能低下および生産活動の停止につながる可能性がありますが、データパックアップ体制の複数拠点化及び調達先の多様化、ならび従業員の安否確認システムの導入などにより対応策を進めています。

参照シナリオ
概要
4℃シナリオ
Representative Concentration Pathways(RCP8.5)、IPCC
21世紀末において、産業革命以前の世界平均気温と比較して3.2℃~5.4℃(約4℃)の気温上昇が想定されるシナリオであり、風水害の物理的な影響が拡大および激甚化することが想定される世界観
1.5℃シナリオ
Sustainable Development Scenario(SDS)、IEA •Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)、IEA
21世紀末において、産業革命以前の世界平均気温と比較して1.5℃未満(2℃未満)の気温上昇に抑えられることが想定されるシナリオであり、脱炭素化に向けた、政策規制や技術革新が進むことが想定される世界観

気候変動に関する主なリスクとそれに対する取り組み・機会

物理4.0℃シナリオ
要因
リスク
期間
インパクト
機会と対応策
急性
異常気象の深刻化、頻発化
• 事業拠点の操業停止
• 災害によるサプライチェーンの寸断
短期
•各拠点における災害リスク対策
•データパックアップ体制の複数拠点化
• 調達先の多様化
• 従業員に対する支援制度の充実
慢性
気温の上昇
• 事業拠点の操業停止
• 電気使用量増加によるエネルギーコストの増加
中期
•各拠点における災害リスク対策
• 再生可能エネルギー導入の推進
• 節電や設備の高効率化など、省エネ活動の継続
政策規制
カーボンプライシング
• 炭素税や排出権取引制度などの施行
• 再生可能エネルギーなどの導入による運用コストの増加
中期
• Scope1,2の削減目標の設定と実行•カーボンニュートラル達成に向けたGHG排出量削減への取り組み
•高効率機器への設備更新、生産拠点の最適化
市場
市場の価値観・顧客行動の変化
•環境に配慮していない製品
・サービスへの需要減少
中期
• 環境配慮型プリントの販売促進および市場拡大
• 認証材料の積極的な利用(FSC認証製品)
エネルギー価格の上昇
• 操業コストの上昇
• 競争力の低下
中期
• 自家消費を目的とした太陽光発電設備の効果的な運用
• 節電や設備の高効率化など、省エネ活動の継続
資源・原材料価格の上昇
• 印刷用紙、各種資材の調達コストの上昇
中期
• 製造工程改善による原材料使用量の削減
評判
気候変動への取り組み姿勢による企業評価への影響
• 自社イメージの悪化、株価の下落
中期
• 情報開示の拡充とステークホルダーとの適切なコミュニケーション

リスク管理

当社は、気候変動や多様性におけるリスクや機会について、全社的にリスク管理を行っております。特に気候変動関連のリスクについては、SDGs推進委員会が中心となり、影響度や発生可能性の観点から、評価・管理を行っています。評価結果において特に重要で緊急を要すると認識されたリスクや機会については、SDGs推進委員会での議論を経て、取締役会に報告され、対応策の検討を行い事業戦略に反映させています。

指標と目標

気候変動に伴う環境課題への中長期的な取り組み方針

■長期環境目標

2050年までに自社拠点でのGHG排出量(Scope1+2)を実質ゼロとする。

■中期削減目標

2030年までに自社拠点でのGHG排出量(Scope1+2)を2020年度比42%削減する。

■価値創造

CO2排出量の見える化の提供とその削減に注力し、環境に配慮した印刷物の普及を図り、社会貢献に寄与する。

環境活動

当社では、「日印産連オフセット印刷サービスグリーン基準」に基づき、自主的に取り組むべき環境課題として、以下のテーマと活動目標を設定して対策に取り組んでいます。
2022年度の目標と実績
テーマ
内容
目標
実績
評価
地球温暖化の防止
CO2排出量の削減(Scope1,2)
前年比2%削減(原単位)
ガソリン100%減(省エネクレジット使用により)電気100%減(省エネ電力および再エネクレジット使用により)
カーボンオフセットの推進(EVI・GGP)
購入量前年比2%増加(原単位)
5.3%減少
×
PLATE to PLATE活動への参加
100%維持
100%維持
大気汚染の防止
化学物質の管理
グリーン基準の遵守
100%維持
VOC拡散防止策の実施
市場の価値観・顧客行動の変化
100%維持
産業廃棄物特別管理廃棄物の削減
排出量の削減
廃油・廃液・廃インキ前年比2%削減(原単位)
20.3%減
有価物の回収(ヤレ紙の削減)
古紙のリサイクル
古紙・ワンプ・段ボール前年比2%削減(原単位)
2.5%減
リサイクルの推進
CTPのリサイクル
リサイクル率100%
100%維持
持続可能な資源の利用促進
FSC認証製品の販売促進
出荷量前年比2%増加
217.1%減

全社におけるCO2排出量

当社では、2021年度よりScope1、2、3における全社のCO2排出量の「見える化」の取り組みを開始しており、その実績を踏まえ、2022年度からは算定項目を精査し更に精度の高い集計となることを目指し活動してきました。今後とも自社の事業活動に伴うGHG排出量について分析、削減努力を継続し、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでまいります。

集計対象 : 2022年度(2022年4月~2023年3月)/グループ会社(株式会社ニコモ・株式会社ノコム)を含む

関連情報

光陽社の「環境方針」

TCFD webサイト

TCFDコンソーシアム webサイト

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